摂食障害情報センター

摂食障害の原因は脳にある!?

これまで、摂食障害の原因については
社会的・文化的側面が強調されてきました。

 

しかし、ここ数年、摂食障害は生物学的原因で起きている
ことを証明するような研究データが多数発表されているのです。

 

これは、脳科学分野の研究が著しく進歩していることと無縁ではないでしょう。
例えば、
摂食障害(拒食症)患者の脳の片側のある部分が低血流であった
という研究報告。
この現象は拒食症患者に特有のもので、
健康な人の脳にはその低血流が存在しなかったのだといいます。

 

また、ホルモンの産生に寄与している
脳内の化学メッセンジャー(=神経伝達物質)に関する研究においても、
興味深い結果が多数報告されています。
拒食、過食に関わらず、摂食障害者の脳内では
ある種の神経伝達物質レベルが異常なのだとか。

 

その代表的な例がセロトニンという物質で、
摂食障害(特に過食症)患者では
このセロトニンのレベルが明らかに低下しているのだそうです。

 

セロトニン濃度の低下は、衝動的な過食や欲うつ症状、
炭水化物を過食する行動と深い関係があることが指摘されています。

脳科学の観点から進む研究

摂食障害だけではなく、うつ病などの気分障害と脳の仕組みには
深い関係性があることが指摘されています。

 

近年、「摂食障害を生化学的観点から解明しよう
という動きが活発化しており、
特に脳科学の分野での研究が進められています。

 

例えば、中枢神経とホルモン系に関係した
神経内分泌系”に焦点を当てた研究。
神経内分泌系は、複雑で微妙なバランスのフィードバック系によって
様々な機能(例えば食欲、消化、睡眠、呼吸、思考、記憶、性欲など)を
調整していますが、
摂食障害の患者ではこの調節機構が正常に機能していないというのです。

 

その指標となるのが脳内神経伝達物質のレベル
摂食障害の患者の場合はセロトニンやベーターエンドルフィン、
ノルエピネフィリンの低下が見られるようです。

 

これに関連して、うつ病と摂食障害の関係についても研究が進んでいるのだとか。
摂食障害の患者はうつ病を併発しているケースが多く、
うつ病が摂食障害の引き金になっているのではないか
とも考えられるのです。

 

実際、脳内で起こっている異常について見てみると、
両者の間には類似性が高いのだそう。

 

セロトニンやノルエピネフィリンの濃度低下がうつ病と関係していることや、
うつ病の薬である抗うつ薬が摂食障害の治療にも効果的であることが
すでに明らかとなっておりのです。

 

また、ストレスに反応して分泌されるホルモンであるコルチゾールの量が、
摂食障害者とうつ病患者の双方で正常者よりも高い値を示すことも証明されています。

摂食障害は脳を委縮させる!?

摂食障害(この場合は過食症)で栄養状態が悪化すると、
脳をはじめとする全身の臓器に栄養が行き渡らなくなってしまいます

 

このような状態が続くと、なんと、脳は委縮を始めるのです。
これは、CTで検査すると明らか!

 

脳が委縮するとどんな影響があるのか、想像できますか?

 

まず、思考力や記憶力が低下してしまいます。
当然、勉強や仕事にも影響が出てきますよね。

 

「でも、ちゃんと食べるようになったら元に戻るのでは?」
と思われるかもしれませんが、それほど単純なものではありません。
脳は再生が容易ではないと言われる臓器であるため、
脳委縮の程度によっては100%元に戻るとは言い切れないのです。

 

特に、摂食障害を発症しやすい10代〜20代は、
受験や就職試験などがあって将来を決める大切な時期。
この時期に極度の拒食症になってしまうと、
脳委縮によって人生の選択肢が狭められてしまうといっても過言ではないのです。

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